スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--)
スポンサー広告

竹内薫 『99.9%は仮説』 感想

常識を疑え



『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』
竹内薫 著

竹内薫の本は予備校時代にハマってよく読んでいた。
予備校時代、受験勉強はそっちのけで量子力学とか、相対性理論とかを勉強した。(思えばあの頃は幸せだったな)
初心者向けの大学物理の話をよく書いているのがこの竹内薫だったので彼の本を手にする機会も多かったのだ。

この本の趣旨は、世の中はほとんどは仮説で100%正しいものなんてない、ってことである。
僕もその通りだと思う。
実際には多くの人がこの事実に気づいていないがために損をしたり、だまされたりしているのではないだろうか。
マイナスイオンとか、モーツアルト効果とか、水からの伝言とか…。
そういったエセ科学にだまされる人が多いように感じる。
本書の内容を理解できれば、こういったものに簡単に引っかかることはかなりの確率で回避できるようになると思う。

ただ苦言を呈するとすれば、100%と正しいことはない、という趣旨を読者に伝えるために、あたかも現代科学の仮説さえも、簡単に覆るかのごとく書いている点である。
数百年まえではそれまで信じられてきた常識がひっくり返るような大発見があったことは確かだ。
例えば地動説の発見や、万有引力の法則の発見、有機物の人工合成、など枚挙に暇がない。
これらを見れば科学界の常識なんて簡単に覆ると思われるかもしれないが、こうした大転換は昔だから起こったことだ。
昔は科学が未発達であったため誤った仮説が信じられている事が多かったのだ。
したがって、大発見が起こる可能性も高かった。
それら誤った仮説がより正しい仮説によって淘汰されて行って、現代の科学が出来上がっている。
つまり、現代科学の仮説は淘汰されずに生き残った仮説なのである。
もし誤った仮説であればとうの昔に淘汰されて、消えていたはずなのだ。

昔に比べかなりの量の知識を蓄積し、大きな発展を遂げた現代科学においてはそう簡単に仮説は覆らないのである。

もちろん科学における発見がなくなると言っている訳ではない。
むしろ発見の数自体は増えているだろう。
ただ現代においては万有引力の発見と並ぶような大発見(大転換)は起こりにくいということだ。
本書の書き方だと、地動説が天動説に戻ることもあるかのような誤解を招きそうだったので、ちょおおおと苦言を呈してみた。

そう言えば、先日、「超光速ニュートリノ」がどうやら誤りだったと報道されたことは記憶に新しい。
(このニュースに関する記事はこちら
こんな大事件はそうそう起こらないよね…。

なんだか、苦言の方が長くなってしまったが、この本の趣旨である100%正しいことはない、という事実は知っておいて損はない。
教科書に乗っていることだってもしかすると間違っているかもしれないのだ。
科学に携わる者でなくても(科学に携わる者ならなおさら)、この疑ってみる姿勢は大切である。
新たな時代は常識を疑うことから生まれるのだから。

P. S.
大発見といえば、ハイゼンベルクの不確定性原理が破られた、らしい。
これは僕のように量子力学を勉強した人間にとっては大事件だ。
だってハイゼンベルクの不確定性原理といえばどの教科書にも必ず載っている量子力学の常識だったんだから。
もう、神の真理もパイルドライバーである(←?)

このニュースを聞いた時、歴史的大発見の現場に居合わせたのだ、という感覚があった。
この感覚を味わえただけで量子力学を学んでいてよかったと思った。
まぁ、授業で習っただけで量子力学の研究をしていたわけじゃないんだけどね。


この記事が役に立った方はクリックしてあげてください



スポンサーサイト

| ホーム |
Page Top↑
▲ Page Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。